「ZK法」の意味
ZK法とは、創造性開発や問題解決のための技法で、片山善治によって考案されました。思いついたことを紙に書き、まとめるといった日常生活で無意識的に行なっている思考の手順を明確にしたものとも言えます。
そのの特徴は、アイデア誘発のパートと実践手続きのパートを統合しシステム的に発想する方法、収束的思考と拡散的思考の反復でアイデアを誘発する仕組み、手順が起承転結から構成されていることなどが挙げられます。これらによって、創造性開発や問題解決を可能にしています。
ZK法は、簡略法、ミニZK法、オーソドックス法の3つのバリエーションがあり、問題の大きさによって使い分けることができます。以下はオーソドックスな方法ですが、それぞれのステップの所要時間を短くすることで、簡略法などとして進めることが可能です。
1、問題を共有し、問題の背景にある事実を紙に書き出します。これらに基いて問題を明確にします。(問題提起、背景の把握、分析、明確化)
2、それぞれが問題について3分間瞑想します。その後、4分間で思いついたことを紙に書き出します。この作業を8回繰り返します。書きだしたことを個人でまとめ、図表化します。(収束的思考と拡散的思考、図表化)
3、グループ内で個人で作業した図表を共有し、それぞれの図表に書き込みながらまとめます。(相互作用)
4、提起された意見を相互評価し、最適な案を選択します。全体を見直し、実践計画への落とし込みをします。(相互評価による順位付け、全体の見直し、創造の実施)
積極的に個人のアイデアを引き出すように設計されているため、集団の中に埋もれたり阻害されてしまう可能性のあるブレインストーミング法に比べ、発想の幅が広がるという利点があります。更に、集団の場で個人の意見をぶつけあうことで思考の質を高め、発想の展開を可能にしています。また、反復思考により思考の生産性と創造性が向上するため、各々の思考力を高めることにも繋がります。