「ZD運動」の意味
ZD運動とは英語でZero Defectsの頭文字を取った社内運動で、日本では無欠陥運動又は無欠点運動とも呼ばれ、企業に於いて社員一人ひとりに自発的な意識を持たせ、製品の品質向上や良好なサービスの提供またコストの削減や納期の厳守などを達成することを目標とした経営効率化運動の1つを言います。その提唱は1962年頃にアメリカの航空機生産会社マーティンマリエッタ社の当時品質管理マネージャーであったフィリップ・クロスビー氏により、日本へも1965年頃の高度成長期に伝わったとされています。 この思想は、決して人的なミスによる欠陥や欠点をゼロにするという意味ではなく、企業経営の姿勢に於いて人的ミスの許容範囲を設定するなど失敗を見込んで甘い目標を立ててはいけないことを意味します。そして、製品やサービスの品質は戦略的な経営の必須条件とされており、個々の企業が顧客のニーズに基づいて設定した要求条件に合致したものであることが必要とされています。その為欠陥を生みやり直しを迫られる従来システムではなく初めから何時でも要求条件を満すことを目標にすることが重要であり、その結果を出す為に明確に定めた方法によって一連の作業を進められるべきで品質の問題に関する責任の所在は作業者ではなくマネジメントにあるとし、品質に不適合が生じる原因はその規格設定や管理欠陥にあると断言しています。そして要求条件に合致した品質管理を行う為に14のステップが提唱されています。
思想の根底を支える14のステップの要約
1.マネジメントの決断
2.品質向上チームの結成
3.現場での品質測定
4.品質コストの評価と品質の重要性の認識
5.是正措置とエラー原因の除去
6.この取組の運動化と評議会及び目標の設置
企業が提供する製品やサービスは、顧客が手中にした時点でそれらの品質を介して評価が下されることから、期待や使用後の満足度を満たすだけの最適な状態で常に提供する必要があり、品質管理レベルを高める為にZD運動に取り組んでみてはいかかでしょうか。