用語辞典

「TQC」の意味

TQCは従来、製造部門で原価管理を行う時や品質管理を行うための理論として利用されてきました。 仕入れた原料をいかに無駄を出さずに失敗作を出さずにうまく活用するかや、原材料をいかに安く仕入れることができるかなど製造部門への管理が厳しくなればなるほど生産効率がアップすることになるからです。 仕入れた原料が食品や化合物などの場合には原料自体に加工できる期限が設定されることになりますので、より条件が厳しくなり、必要な分だけを必要なだけ仕入れることができる仕入れの手法にも影響を与えることになります。 製造業では時間内にどれだけ生産性を上げるかが利益に大きくかかわってくるため、一つ一つの工程を最短時間で済ませることができ、完成度の高いものに仕上げることが必須となり、人間がどれだけ無理ができるか、無理をさせるかという問題にもつながりかねず、オートメーションの導入を促進することにもつながりました。 製造部門だけが厳しい条件に置かれるのではなく、他部門でもTQCの時間内にどれだけ正確に処理を済ませることができるかも問われるようになってきています。企画やカスタマーサービスといったアイデアを生む出すために裁量が重視されてきた部署や顧客のクレーム対応などを行っている部署にとっても効率化が当然となり、マニュアル対応や残業代なしなど仕事のアウトソーシング化が進み、裁量制もコスト削減の対象となってきています。 財務や人事などの部門にとっては一見TQCにそぐわないものに思われますが、やはり同じ仕事をどれだけ時間短縮できるかやコスト削減のためのプラン作成に追われることになります。 もともとTQCはトヨタの看板方式が基礎となっている理論で改善や進化を意味する単語です。しかし単にコスト削減やマニュアル化を推し進めるのであれば、ベテランの経験値の高い判断能力のある人が減少することになり品質の確保が難しくなってくることになります。理論の最終目標は品質管理であり、品質管理を確保できないようであればTQCが意味をなさないことになります。