用語辞典

「ロールプレイング」の意味

ロールプレイングと聞いてゲームをイメージする人も多いかと思いますが、「役割演技」という意味であり、自分自身がゲーム上のキャラクターの役割を果たすゲームがいわゆる「RPG」です。ロールプレイングはビジネスシーンでも社員教育などに用いられており、「ロープレ」と略すこともあります。

意義

「役割演技」といっても、社員教育においては演劇のようなことをするわけではありません。場合によってはシナリオが用意されていることもありますが、主に接客、営業、あるいはリーダー育成などのために、実際の業務の場面などを想定し、擬似的にその場面に対応するということが行われます。いわばボクシングのスパーリングのようなもので、実際に近く、しかし失敗も許されるという状況の中で、徐々にその場に慣らしていきます。かつての「現場で体で覚えろ」的な社員教育は効率が悪く、またそのような方針で社員育成をおこなって失敗した場合は、その社員が失敗体験で萎縮するばかりではなく、会社にも損害を与えます。そのようなことにならないためにも、まずは疑似体験をさせて育てるというのが、効率的かつ有効です。

目的

ロールプレイングによって実際の業務を想定した疑似体験を経ることで、業務のイメージや対応方法、スムーズな会話などができるようにしておくと、いざ実際の業務にあたったときに、ぶっつけ本番で行うよりもすみやかに取り組むことができるようになります。擬似的な体験であったとしても、脳はその場の「状況」を体験しているので、一度練習で体験した状況に近い場面に遭遇すればあわてることなく対応できます。しかし、そのためにはあくまで現実に則した練習をかさねる必要があります。「練習のための練習」では意味がありません。目的はあくまで即戦力を育成するためです。

求められること

即戦力を育てるためには、教育を受ける側よりもむしろ、教育をさせる側がいかに実際的な体験をさせられるか、自分の体験から得た対応能力を身につけさせることができるかが重要となります。