用語辞典

「ロワーマネジメント」の意味

ロワーはロワーミドルクラスというイギリスの階級から派生した単語で中流階級を指します。ミドルは中流の上、ロワーは中流の下になります。 労働者階級ではロワーは現場の指揮監督指導者を指します。トップマネジメントが上層部、ミドルマネジメントが管理職、ロワーマネジメントが現場を指揮して実際に労働に携わる担当者となります。 ロワーマネジメントは上層部と管理職が決定した経営理念や年間生産目標を達成するために行動する集団を指揮指導することになりますから、業務的な意思決定をするだけでなく、メンバーと一体になって目標達成を実現するという意思も必要になります。役職としては係長、主査、主任、リーダーといったものになりますが、メンバーとほぼ同年代であることから権力的なリーダーシップを発揮することは難しく、チームの統制をとることや自分が主体的に成果を上げるようにしなければ説得力に欠けてしまうという環境も背景にあります。 情報の共有化を第一にして、メンバーのモチベーションを上げ、一体感を生み出さなければならないのがロワーマネジメントに要求される実力です。具体的な目標があることから現実的な計画を立ち上げ、期間内に達成が可能かどうかを問われることになりますので、責任者としてかなりの精神的な負担がかかることになります。 トップやミドルのマネジメントが外部の専門講師によって行われるヒューマンスキル向上や経営知識の獲得を目標として研修を受けることができるのとは違い、ロワーマネジメントは社内での適正な人材の配置や適正な実力の評価、人間関係のトラブルを回避するなど組織論では片づけられない現場ならではの悩みを突きつけられることになります。 仕事の流れや分担が公平で無理のないものでないかどうかを判断したり、効率よく業務を進行させるためにはチームワークも大切になります。理論だけでは習得できないロワーマネジメントのスキルを獲得することでミドル、トップになった時に現場からの思考法が可能になるのです。