「Industrial Engineering」の意味
Industrial Engineeringとは人や資材、設備をいかに効率よく動かすか、利用するかによって最大限の利益を測ろうとする理論です。もともとは製造業を中心に分析や統計が行われてきましたが、最近では他の部門に対しても応用されるようになっています。 数値的な予測や評価である科学的分析法だけでなく、自然科学や社会科学の理論も採用されており、最適値を求めるための条件も無理のないものであることが特徴的です。 経営の改善手法としての理論で、組織における人、資材、設備、時間、情報、賃金などを総合的に評価することで経営資源を有効活用し、高品質で低価格のサービスを提供するために技術を活用します。製造業から、医療分野、物流分野まで幅広く利用されるようになってきており、組織をひとつのシステムと捉えることで生産の効率化を目指します。 人に着目した場合には、製造担当者の工場作業者だけでなく、家事や事務、軍人まで含み、人間の行う仕事はすべて科学的管理ができるという理論に基づき、生産性の向上に貢献するための行為を分析します。 そのため最近セミナーとして開催されているIndustrial Engineeringではリーダー力の強化や現場運営力アップなどの人に着目したセミナーも多くなってきています。もともとは現場のカンで行ってきた手法をマニュアル化して誰にでもできるようにして、分業化を勧め作業効率をあげることが目標であったため、現場研修セミナーやモノづくりのプロの見学といったコースが多かったのですが、職場の無理、無駄、ムラをなくすという目標がほぼ完了しつつある現在では、責任者の管理能力を上げることや能力開発のための投資をする方向に移行していることがわかります。 実務に応用できる作業改善法は実践可能なものでなければなりませんので、実践できるかどうかが重要になります。意思や能力といった個人的なスキルとは関係のない科学的で一般的な手法であることが普及に役立つことになります。