用語辞典

「HRM」の意味

HRMは英語のHuman Resource Managementの略で、日本語では人的資源管理や人材マネジメントと訳され、採用から開発、配置、評価、報酬までを包括的に管理する人的管理手法のことをさしています。 組織は、ビジョンや経営目標の達成に向けて、ヒト、モノ、カネといった経営資源のうちの、ヒトという経営資源に注目し、それらを有効活用するような仕組みについて、体系的で戦略的な構築や運営をめざした活動を行っています。 HRMという考え方は、ここ10年くらいで発展を遂げてきた比較的新しい考え方です。この考え方が提唱される前まではヒトのマネジメントというとPM(パーソナルマネジメント)が主流でした。パーソナルマネジメントは英語ではPersonal Management、日本語では人事労務管理と訳されます。ヒトをコストと見る考え方から、戦略的資源と見るという考え方へシフトしたという点がPMからHRMへの一番大きな変化といえます。 ヒトという経営資源は、他の経営資源を動かす原動力になるという点では、ほかのモノやカネにはない特徴をもっています。ヒトは訓練教育や育成の在りかた次第で非常に重要な資源になりうるという点、つまり、育てることができるという点が人的資源管理の考え方の大きな特徴です。 日本では人的資源開発(Human Resource Development)とともに、人材育成という包括的なことばと関連付けて考えられることが多く、もともとこれらの考え方が注目されたきっかけが、当時、景気の後退期にあったアメリカが、経済成長が著しかった日本の組織マネジメントを研究したためであるとも言われ、今後の組織マネジメント理論の発展に期待が寄せられています。 このように、新しい人的資源の発想をとり入れて、組織のビジョンや経営目標の達成をめざして日々活動を行っている組織を支える重要な考え方となっています。